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ヘルニアについて

ヘルニアとは

ヘルニアは、交通事故によって残る後遺障害として非常にポピュラーではありますが、同時に、事故との因果関係が問題になりやすく、慎重な対応が必要となります。

ヘルニアの中でもよく見受けられる頸椎椎間板ヘルニアと腰椎椎間板ヘルニアについて説明します。


頸椎椎間板ヘルニア

頸椎は7個の椎体が上・下に積み重なって頭と胴をつなぐ首の骨をつくっています。各々の頸椎が前後・左右に動き、しかも上下にずれないように連結するのが椎間板であり、上下の骨の椎体間に介在しています。椎間板は椎体と椎体との間にあってクッションの役目を果たしています。

椎間板の構造ですが、バウムクーヘンとか、年輪のようなものをイメージして下さい。椎間板の中心部には、ゼラチン状の髄核があり、その周りを、線維輪が年輪のように取り囲んでいます。

一般的には、ヘルニアとは、椎間板が加齢により変化し、繊維輪が断裂し、そこから髄核や、内側の繊維輪が、頚椎の脊柱管内に脱出した状態のことを指します。交通事故とは関係なく、30歳から50歳代の男女に広く見られる症状で、レスリングや相撲、柔道、ラグビーなどをやっている人であれば20歳代でも発生しえます。

ただ、髄核が脊柱管内に脱出していても、ただちに痛みや違和感が生じるわけではありません。脱出した髄核が、神経等を圧迫することによって、痛みや知覚障害、筋力低下などが生じるのです。交通事故では、たとえば追突され、車後部が押しつぶされ、前部座席に座っていた人がミラーやフロントウインドガラスで頭を打つような強力な衝撃を頚椎に受けた場合にヘル二アが発症すると考えられます。

ただその発症は、事故の衝撃が相当なものである場合に限られ、一般的に、車の修理費が50~60万円程度の追突事故では、発生しないと考えられます。修理費が150万円以上となるような追突事故でないと、ヘルニアと事故との因果関係は認められにくいでしょう。


腰椎椎間板ヘルニア

同様に、腰椎椎間板ヘルニアも、椎間板が加齢等により変性し、椎間板組織が神経根や馬尾神経を圧迫して、腰痛、下肢痛を引き起こす病態です。

両下肢の高度な感覚・運動障害、排尿障害、疼痛性跛行などが生じる場合もあります。交通事故では、頸椎椎間板ヘルニアの場合と同様、非常に大きな衝撃があった場合に発生するとされています。