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うつ症状・PTSD

うつ症状

うつ症状うつ病は未解明点が多い病気です。脳の機能の異常と、ストレス、身体的な病気、その人の性質などのさまざまな要因が複合的に重なって発症するといわれます。うつ病という疾患が原因となって、患者は、うつ症状に陥ります。

うつ症状は、精神症状として、抑うつ気分、興味や喜びの喪失、思考力や集中力の低下、意欲の低下、自責感、希死念慮などがあり、身体症状としては、睡眠の異常(不眠)、食欲の低下、疲労・倦怠感、性欲の低下、頭重・頭痛などがあります。追突事故後のうつ症状は、脳の器質的損傷を伴わない、いわゆる非器質的精神障害です。

事故によってうつになったという被害者の訴えはよくなされますが、これが認められるためのハードルは相当に高く、十分慎重な検討を要します。そもそも、事故に遭えば、多くの人が落ち込みます。また、疲労感や倦怠感を覚え、食欲が落ち、眠れなくなることもあります。これらはたしかにうつ症状なのですが、だからといって、交通事故による損害、あるいは後遺症として認められるわけではないのです。これらは、ある程度時間が経てば回復していくものだからです。

また、事故によってどの程度うつ症状になるかは、たぶんに、個人の素質にもよります。そうなりますと、素因減額(その損害が発生したのは、被害者の素質等にも原因があるとして、損害額が減額されること)がなされる可能性も十分にあります。

後遺障害の等級認定に当たっては、事故との発症との因果関係の判断(事故の状況、受傷状況、精神症状発症時期、精神科専門医受診に至る経緯、精神医学的な病名等)と症状残存の因果関係についての調査(発症以降における治療経過、症状残存に対する交通事故の影響、交通事故外の要因)により総合的に判断して等級を判断します。非器質的精神障害の後遺障害の等級は、第9級、第12級、第14級の3つです。


PTSD

PTSD(外傷後ストレス障害)は、死を意識するような強い体験(事故、災害、戦闘、虐待、暴力、強姦など)が生じ、次の3つの症状が生じ、少なくとも1カ月以上続き、かつ生活や仕事に大きな影響を与えるものをいいます。主な症状は以下のとおりです。


回避と麻痺

外傷体験の部分的な健忘。感情や関心が狭くなり、人を愛したり喜ぶことができない。外傷に関連した刺激を避けようとする。慢性的な無力感。


進入症状

悪夢にみる。フラッシュバック、体験に関する錯覚・幻覚。外傷に関連した刺激による主観的な苦痛。誘因なく思い出される。


過覚醒

入眠困難。いらだち。集中力の低下。張りつめた警戒心。些細なことでの驚愕。交通事故における重傷患者(生死の境をさ迷うような、非常に重大な傷害を負った患者)の一部の方に発症します。後遺障害の認定基準は、非器質性精神障害と同じです。極めて率直に申し上げますと、交通事故によるうつ症状も、PTSDも、交通事故による後遺障害と認定されるケースは珍しいと言わざるを得ません。

お悩みの方は、ご自身のみで交渉されるのではなく、早期に弁護士に相談し、適切な診断書を取得したり、医師から意見書を入手されることを強くお勧めします。いたずらに時間が経過しますと、それだけで不利益になりかねません。

また、後遺障害等級認定として認められなくても、症状を強く訴え続けることで、傷害慰謝料の額が増額されることもあります。いろいろな方法が考えられますので、おひとりで悩まれずにお気軽にご相談ください。相談なさるだけでも、相当程度、精神的にお楽になる方が多いものです。ご一緒に皆様のベストを模索させていただければ幸いです。