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高次脳機能障害の事例

高次脳機能障害で後遺障害9級、保険会社の提示額の6倍の示談金を獲得した事例

相談・依頼のきっかけ

Aさんは、自転車を運転して、交差点の自転車横断帯を横断していたところ、右折してきた加害車両に衝突されて転倒し、頭部を強打し、脳挫傷、頭部挫傷、顔面挫創、頸椎捻挫等の傷害を負いました。

症状固定後、Aさんには後遺障害が残ったため、後遺障害等級の認定を申請し、14級9号と認定され、この等級に基づいて、加害者保険会社から示談金額の提示を受けました。しかし、Aさんは、14級との認定にも、損害賠償額にも納得できず、当事務所に相談にいらっしゃいました。当事務所では、Aさんの話をよく伺うと同時に、頭部MRIの画像を確認しました。

そして、画像上、症状固定時においても脳挫傷の残存が確認でき、また、症状固定までの治療経過中における各診断書や、Aさんのお話(事故後、新しいことが覚えられなくなった、複数の作業を同時にできなくなった、集中力が低下して仕事の効率が悪くなった、怒りっぽく(易怒性)イライラしやすくなって労働能力が低下し、総合職としての仕事に支障をきたしている)などを総合し、適切な異議申し立てを行えば、高次機能障害後遺障害として9級10号と認定される可能性があると考えました。

しかし、Aさんが取得していた後遺障害診断書の内容は、些か不十分なものでした。そこで、当事務所では、医師に対し後遺障害診断書の再作成を依頼すると同時に、日常生活状況報告書も補記し、異議申立を行いました。

その結果、期待通り、9級10号の認定を得ることができました。保険会社は、認定された9級10号を争うことはありませんでしたが、Aさんには後遺障害による減収がないと主張し、後遺障害による逸失利益について、大幅な圧縮を主張してきました。具体的に言いますと、労働能力喪失率と労働能力喪失期間について、いずれも非常に低く見積もったうえでの逸失利益を算出し、低額の示談金を提示してきたのです。


当事務所の対応と結果

当事務所では、労働能力の低下は明らかである、本人は人一倍努力しているが、昇進・昇給・ボーナスへの影響は明白で、将来の転職、失業の可能性を否定できないと主張し、保険会社と忍耐強い交渉を続け、最終的に、ほぼ当方の主張通り、保険会社が提示してきた示談金のほぼ6倍という内容で、裁判に至ることなく、示談を成立させることができました。


まとめ

このように、高次機能障害は、性格・人格の変化を伴うのですが、立証が極めて困難な後遺障害の類型といえます。そのため適切な後遺障害診断書の入手が不可欠です。また、一度これが否定されてしまえば、異議申し立てをしても、認められる可能性が高いとはいえない障害であると言わざるを得ません。お困りの方は、早期に、法律事務所に相談されることを強くお勧めします。